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九州の鋭い日差しが肌を焼く中、
アウさんも、
鉄っちゃんも、
僕も、
ハウステンボス園内を駆けずり回った。

消費したペットボトルは何本か、もはや数えられない…
それほどに、滝のような汗をかき続けた。
両の足は刺すような痛みを訴え、諦めろと呼びかけた。
それでも、僕達は果敢にも宝を探し続けたのだ。

いくつもの謎を解いた。
地図を立体的に組み合わせるという発想…圧倒的閃き。
そこにたどり着いた瞬間、僕達は勝利を確信し、
喜び勇んでその地図が示す宝の場所へと赴いた。

だが、既にそこには、ほかの大勢のハイエナ共が大挙して押し寄せていた。

僕達の夏の宝探しは、こうして敗北を喫して終わった。
敗者を嬲るように、バケツをひっくり返したような激しい雨が、ごうごうと降り注ぎやがった。
ぐしゃぐしゃに濡れた回答を提出し、意気消沈とした顔で、
”おつかれさま”と皆に一声かける。
アウさんの眼は、死んだ魚のよう…いや、死んだ魚を見るような眼で、
虚空を睨んでいた。
もはや意識はここにはない、と言わんばかりに。
鉄っちゃんは、普段から鍛えていたおかげか、
さほど疲労の色は見えなかった。
だが、200万円という淡い希望を打ち砕かれた反動か、
声にいつもの張りは残っていなかった。

そして閉会式。
結局、200万円を獲得したのは――ただの中年主婦だった。
いや、それはあくまで見かけの話であって、
実はその一団はプロのトレジャーハンターらしく、
この後も沖縄に宝探しに行くとのたまわっていた。
更に、その宝の発見時間が、僕達に更なる虚無感を提供してくれた。
昼の12時過ぎ……つまり、僕達がまだ最初のキーワードを探していた時間なのだ。

要するに、僕達は、午後一杯かけて……既に見つけられてしまった宝を、
ありもしない200万円という幻想を、探し続けていたのだ。
アウさんは、また…
「イカサマ…ッ!!イカサマ…ッ!!」
と既に雨でぐしゃぐしゃになった顔を歪ませていた。
鉄っちゃんは、アンニュイな表情で、
打ち上げられた鰹の如く床ではねるアウさんを眺めていた。

こうして、タカラッシュという名の、欲望と裏切りが渦巻く宝探しは…
幕を閉じた。






だが、その裏で雨の中1時間近く待ち続けた男がいることを……
僕達はこの後知ることになる。
 
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